気負わず、軽やかに。藤原美智子流・ギフトの極意【前編】
もうすぐバレンタイン。身近な人に愛と感謝を伝える素敵なイベントですが、大人になるほどギフト選びのハードルは上がってしまうもの。そこで今回は贈り物上手として知られる藤原美智子が、ギフトの極意&エピソードをご紹介。前編・後編にわけて2週連続でお届けします。
自己満足は封印し、相手ファーストで柔軟に
――美智子さんはバレンタインデーにどんなギフトを贈りますか?
結婚当初は夫に手作りチョコレートをあげていたんです。作るのは楽しいし、自己満足も得られるし、すごく喜ばれたけれど、実は夫は味が洗練されている高級チョコレートが好き。それを知ってから、早々に手作りは卒業(笑)。今では毎年いろいろなショコラティエのおいしいチョコレートをあげて、ついでに一緒に味わっています(笑)。高級チョコレートって味わいはもちろん、パッケージも凝っていて素敵なんですよね。食べ終わったら箱を切り取ってカードにして、日付と短いメッセージを書いて次のバレンタインまで壁に貼っておくのが、わが家流の楽しみ方です。
――素敵ですね。バレンタインに限らず、藤原さんが贈り物をするときに心がけていることはありますか。
人に贈り物をするときに私が気をつけていることは大きく3つあって。1つは自己満足ではなくて、相手がどういうものだったら喜ぶかをいちばんに考えること。2つ目は、相手が負担に感じるようなものは控えること。3つ目は、あまり親しくない相手に、手元に残るものは贈らないこと。ケース・バイ・ケースではあるけれど、この3つは私の贈り物の「きほんのき」と言えますね。
親しさの度合いが肝心。「高級」「個性」はあえて控える
――よほど親しい相手でない限り、高価なもの、手元に残るものは控えた方が賢明なんですね。
見るからに高級品と分かるようなものをあげてしまうと「お返しはどうしよう」とか「どういうつもりでプレゼントしてくれたのかしら」とか、相手にいろいろ気を遣わせてしまうでしょ? 手元に残るものも同じで、相手が自分と同じセンスとは限らないし、ものが増えるのは嫌だという人には返って迷惑になってしまうこともあるだろうし。特に個性的なデザインや用途が限られるものは、よほど仲が良くてセンスが近しい人でない限り控えた方がいいんじゃないかなと思います。ギフトを選ぶ時には、相手がどれくらい親しい関係性なのか、自分のセンスを押し付けていないか、ということをよく考えたいですね。
――ギフトの予算も悩みどころです。
親しさの度合いに応じて予算を予め設定しておくと、ギフトを選ぶ時にスムーズじゃないかなと思います。例えば、知り合い程度で、そんなに距離が近くない人は3000円ぐらい、仲のいい友だちなら5000円ぐらい、それ以上近い関係性なら1万円以上、夫婦や恋人のようにステディな関係だったら値段は関係なし、というように。でも、親しさの度合いは「知り合い程度」でも、相手が年上で贈り物経験値の高い方だと、3000円では何を選ぼうかとちょっと考えてしまいますよね。
定番の花を贈る時は、相手の性格や環境も考えて
――迷った時はこれという、贈り物の定番はありますか?
私がいちばんよく贈るのは、お花です。お花は予算に合わせやすいし、手元に残らず、個性的すぎることもなく、老若男女問わず誰にでも喜ばれる贈り物ですよね。見た瞬間に気持ちが華やぐので、お祝いにもぴったりですしね。お花屋さんは、もう何十年も通っているところがあって、いつも予算、相手の年齢や性別、差し上げる目的などをお話しして、お店の方と相談しながら決めています。この時に大事なのが、相手のキャラクター。女性でも男前な性格の方もいらっしゃるし、男性でも柔らかな雰囲気もいらっしゃるから、そういったことまできちんと伝えると、相手のイメージにぴったりな花束を作ってもらえますよ。
――女性が男性にお花を贈るのも素敵ですね!
男性にお花を贈ると案外喜ばれますよ。ただし、工夫が必要で、奥さまやパートナーがいらっしゃる方なら花束でも大丈夫ですが、普段お花を飾る習慣がない男性にはそのまま飾れるアレンジメントや、小さなブーケと共に花びんをセットにして贈ったほうがいいかもしれませんね。花びんは個性的すぎると、挿す花も置く場所も限られてしまうので、シンプルなものを選ぶのもポイントですね。私も先日、ある方から素敵な花びんとお花をいただいたのですが、その花びんが、まさに私好み。「美智子さんはお花をもらう機会が多いでしょうから花びんもぜひ」という、お気遣いもとてもうれしくて。自分を主張せず、相手をちゃんと見るということがギフト選びの極意なんだなと改めて感じました。【後編へ続く】