マインドマップで描く、新年の目標と道のり
新年の幕開けに掲げる、一年の目標。しかし、かたい決意もいつの間にかゆるみ、結局目標倒れに終わってしまう、なんてことも。そこで、藤原美智子がおすすめするのが、マインドマップの活用。目標達成に向けて、ぜひ取り入れてみて。
抽象的な目標を、具体的な方法に落とし込む
――藤原さんは毎年元旦に、マインドマップで新年の目標を立てるそうですね。
元旦の朝早くにマインドマップを書くのが長年のルーティンになっていますね。目標って漠然と書いても意味がなくて、達成するための道すじを考えなければ、絵に描いた餅で終わってしまう。目標倒れにならないためには、抽象的じゃなくて、具体的に考えていくことが大事なんですよね。マインドマップは抽象的に頭に浮かんだことを具体的な方法まで落とし込むやり方として、とてもおすすめです。
――マインドマップって、どのように書くんでしょうか?
まず最初に白い紙やタブレットを用意します。私は「One Note」というアプリを使っていますが、紙ならできるだけ大きいサイズの方が思考が広がっていいですね。紙を用意したら、そのまんなかに、今年の目標を書いて丸で囲みます。たとえば、「ダイエット」と書くとしましょう。次に、その目標から線を引っ張って、達成するための手段を書いていくんです。「運動」「ストレッチ」「食事」など、思いついたものをどんどん書いて丸で囲みます。次に、「運動」だったら何がいいかな、と考えます。1人でやるのが好きだし、手軽だし、お金かからない「ランニング」かな。それとも、前から興味があった「バレエ」を習い始めようかな、とかね。例えば「ランニング」だったら、どのくらいの頻度、距離、時間帯なら実践できるかと考えて、「週2回」「1回5km」「時間は朝」と書いていくんです。こうやって紙に書きながら枝分かれさせていくと、具体的な方法がどんどん見えてくるんです。
――なるほど! これなら漠然と思い描いていた目標が具現化できますね。
最初に書くのは、抽象的な目標でもいいんです。たとえば、「きれいになりたい」と書いたら、自分が目指す「きれい」はどんなものなのかを考える。それが「たるまないこと」だとしたら、顔の筋肉を固めさせない方がいいから「マッサージ」をしたほうがいいかな、それにはどんなやり方があるかなと考えて、YouTubeやネットでやり方を調べて書いていきます。そのマッサージを毎日続けるためにはどうすればいいか、お風呂でマッサージすれば絶対に習慣化できるな、と具体的になればなるほど、習慣が続けやすくなります。
書くことで、思考力も実行力も育っていく
――藤原さんがマインドマップを書くようになったきっかけは何だったんですか?
きっかけはよく覚えていないんですが、何かで見て知ったんでしょうね(笑)。以前は、悩みごとがあった時にはA4用紙10枚に、解決策を思いつくまでひたすら書くということを習慣にしていたんです。事務所を立ち上げた34歳の時からの習慣だから、20年以上続けていましたね。それが10年ほど前からマインドマップに切り替わったという感じです。
――A4用紙10枚に悩み事を書くって、すごいですね!
最初の紙5枚ぐらいは、ひたすらうっぷん晴しなの(笑)。だけど10枚書かなきゃいけないってなると、ネガティブなことばかり書けないのね。自分の思いや考えを全て吐き出して、残り5枚、3枚となったときに初めて俯瞰的に物事を見れるようになって、前向きに課題を解決する方法が浮かんでくるんですよね。今となっては悩み事を紙に書くことはあまりなくて、その代わり、今年の目標とか、やりたいことを具現化するためにマインドマップを書いています。30年近く「書く」という習慣を続けてきて、考える力も実行する力も育ってきたように思います。やっぱり積み重ねって大事ですね。
マインドマップは自分自身と向き合う時間に
――マインドマップを誰かと一緒に書いたり、SNSなどで共有したりはしませんか。
他人の目を意識すると、どうしてもフィルターかかってしまって、正直に書かないでしょう? だから共有も公開もしないことにしているんです。目標を宣言するのはいいと思うのですが、マインドマップはひたすら正直に書いて、自分自身と向き合うことがポイントですからね。それに、そうした時間を設けることが大事なことだと思います。書いているうちに、最初は思いもしなかった方法や気持ちが出てくることもあって楽しいですよ。年始の抱負はもちろん、普段の生活で悩み事や課題、やりたいことが浮かんだときにも使える手法なので、まだ試したことがない人はぜひ活用してみてください。今年もそれぞれに目標を持って、明るく生き生きとした日々を送っていきましょう!