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ぐっすりと、すっきりと。眠りの質を高める習慣

ぐっすりと、すっきりと。眠りの質を高める習慣

 

気温・気圧の変動やジメジメとした蒸し暑さで、眠りが浅くなりがちな梅雨。藤原美智子が深い睡眠と爽やかな目覚めを得るために実践している習慣とは。

 

子ども時代をお手本に、体と心を健やかに整えて

 

――眠りが浅くなりがちな梅雨ですが、質の良い睡眠は美容にとって欠かせないものですよね。

寝不足だと元気が出なくて1日中ボーッとしてしまうし、目元にクマもできるし、どんなにきれいにメイクしても、いきいきとした印象にはならないんですよね。細胞の修復作業や脳内の情報整理は睡眠中に行われていると言われていますし、質の良い睡眠って健やかに生きるためにとても大切な要素だなと思います。

 

――美智子さんが考える、質の良い睡眠とは?

私は子どもの頃の睡眠が理想だなと思っていて。子どもの頃って、太陽の下でケラケラ笑いながら遊んで、体じゅうで感情を表現して、夜は疲れてコテッと寝ていたでしょう? 大人になるとなかなかそうはいかないけれど、なるべく屈託なく笑えて、体を十分動かして、心地よい疲労感を感じながらコテッと眠れるような環境を整えたいですよね。よく食べて、よく笑って、よく動いて、健やかな肉体と精神を自分でつくりあげていく。人間として当たり前のことを当たり前にやることこそ、頭でっかちになりがちな現代の私たちにとって大事なことじゃないかなって最近すごく思うんです。

 

朝日を浴びて目覚め、ストレッチ・庭仕事・散歩を日課に

 

――体を動かした日は確かに良く眠れますよね。美智子さんは日々どんなふうに体を動かしていますか?

まずは毎朝のストレッチ。柔軟性を高めるのはもちろん、体幹を安定させるための腹筋も大事なので最近は筋トレも取り入れています。そして、ウィークデイはバレエのレッスン。週末はガーデニング。夏にかけて雑草がものすごい勢いで伸びるので、やらないと大変なことになるんです。日差しがそれほど強くない午前中か夕方に庭仕事をして体を動かしています。下田の家にいるときは海辺まで散歩もします。海を眺めているだけでなんだか気持ちが浄化されて、夜も考え事をせずに、すっと眠りにつけるんです。

 

――朝も目覚まし時計なしで、すっきりと起きられるそうですね。

私は朝日とともに自然と目が覚めるんですが、朝起きたらまず最初に朝日を浴びるのが長年の習慣になっていて、窓辺で目を閉じてまぶたの裏側で太陽の光を見るという感じです。時間としては10秒ぐらいだけど、これがとても心地よくて、幸せな気分になるんですよね。学術的にも朝日を浴びると脳の働きが活発になって12時間後に自然と眠くなるなどと言われていますが、難しいことを抜きにしても、太陽を浴びると自然と今日も頑張ろうっていうエネルギーが湧いてくるんですよね。こうやって日常生活の中で、自分が心地よいという瞬間をいかに集めるかということが大事じゃないかなと思います。

 

 

ランニングに拭き掃除。集中の先にある「無」の心地よさ

 

――毎晩の入眠儀式などはありますか?

最近はベッドで川のせせらぎ音を聴いていると自然と眠くなるのですが、以前は寝る前に10分ほど瞑想をしていました。シンギングボウルを鳴らして目を瞑って、上から自分自身を見下ろすように意識を広げていくと、頭の中が空っぽになっていくんです。そのまま横になって寝るとすごくよく眠れましたね。

――日々忙しいと考え事ばかりしてしまって、無になる時間は貴重ですよね。

私も最初に瞑想をやったときは、全然無になれなくて、「もうそろそろいいかな?」って時計を見たらまだ30秒(笑)。自分でもびっくりしちゃいました。でも毎日続けていったら時間が少しずつ伸びていって……何事も練習だなと思いましたね。座って瞑想するのが苦手な人は、ランニングもおすすめ。最初はきついなと思うんだけど、走り始めるとだんだん頭の中が無になっていくんですよね。そういう意味では、拭き掃除も瞑想になりますね。お坊さんのように朝一番に家の拭き掃除をして空間と心を清めるというのが理想ですね。

――ランニングや拭き掃除も瞑想になるんですね!

何事もそうですが、集中の先には「無」があって。例えば、へアメイクってすごく集中しなければできないんだけど、すごく入り込めたときって無になっているんです。私はその瞬間を「ゾーンに入る」と呼んでいるのですが、これがすごく心地良くて。大好きなバレエでもいつかゾーンに入りながら踊れるようになりたいなと思っているんです。

――体を動かしながら無になれる時間があれば、睡眠の質も自然と上がりそうですね。

外的・内的要因でぐっすり眠れない、すっきり起きられないということは誰にでもあると思うんです。そうしたときのために心と体をリラックスさせるためのテクニックをいくつか身につけておくと役に立つんじゃないかなと思います。自分なりの快眠習慣を見つけて、眠りの質を高めてみてくださいね。

 

Photo:Sachiko Horasawa
Text:Sachiyo Kamata
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