“涙袋メイク”よりも上品に。光と影で魅せるアイライン
眉メイクに続き、秋のアイメイクも気になる頃。トレンドの“涙袋メイク”はハードルが高いという大人の女性に向けて、藤原美智子が瞳を印象的に魅せるアイライナーテクニックをお伝えします。
流行の涙袋メイクよりも、一生モノのライン使いを
――若い世代を中心に“涙袋メイク”がトレンドになっていますね。
街でも涙袋メイクをした女性をよく見かけます。確かに、涙袋を強調することで目を縦に大きく見せる効果はあるのだけれど、それは目元にハリのある若い女性だからこそ。もちろん、大人の女性でも目元にハリが十分ある方ならトライする価値はあると思いますが、少しでもハリのなさを感じているのであれば避けてほしいテクニックなんです。
――涙袋メイクが大人にとってハードルが高い理由はハリ感にあるのですね。
あくまでも私個人の見方ではあるけれど、涙袋を強調したメイクはシワやクマを強調しかねないし、大人がすると知性をうたがわれる危険も。そうしたトレンドをわざわざ取り入れるよりも、確実に、そして誰が見ても美しいと思えるライン使いを身につけた方が得ではないかなと思います。
――旬の短いトレンドのメイクテクニックよりも、一生使える基本のメイクテクニックを磨く方がきれいの近道といえるかもしれないですね。
それに、流行最先端のヘアメイクやファッションであるほど、数年後に見ると逆に時代をすごく感じて、恥ずかしくなるんですよね。私も20代の頃、当時トレンド最先端だった刈り上げヘアをしていたけれど、写真を見ると懐かしさよりも恥ずかしさが優ってしまいます(笑)。皆さんも少なからず似たような経験があるのではないかしら。大人の女性の場合は、その辺も踏まえて、塩梅良くトレンドを取り入れるということが大事じゃないかなと思います。
ラインをぼかした綿棒で影をつけ、パールライナーで光を差す
――涙袋メイク以外で、瞳を大きく見せるテクニックはありますか?
基本的なアイラインの引き方は、MICHIKO.LIFEのウェブサイトの動画やコラムで詳しく解説しているので是非、参考にしてみてください。「メイクコントロールライナー」を引いた後には必ず綿棒でアウトラインをぼかしてほしいのですが、実はここに瞳を大きく見せるポイントがあるの。綿棒の先にわずかについたアイライナー液を、下まぶたの目尻側6分の1ぐらいに軽くなでるようにつけるんです。そうすると、目尻に自然な影ができて印象的な目元になるし、目の横幅も大きく広がって見えます。影をつけるのは、あくまでも目尻側1/6。それ以上つけてしまうと疲れた印象になってしまうので気をつけて。
――綿棒についたアイライナー液をアイシャドウがわりに! 目から鱗のテクニックです。
まだありますよ(笑)。目尻側に影を差したら、今度は「アクセントパールライナー」で目頭側に光を差すんです。こうすると、目元の印象がパッと明るくなるの。このときのコツは“ラインを引く”のではなく、軽くトントンと“点で置く”ようにつけること。それが自然な明るさを作るコツなんです。目頭ってよく見ると、少し平行になっていますよね。そこがパールライナーをのせる場所。それ以上はのせない方が自然だし効果的ですよ。
“ほんのちょっと”のさじ加減が、最大限の効果を生む
――メイクは、さじ加減が大事なのですね。
“ほんのちょっと”のさじ加減が、最大限の効果を生みます。「少しの差異を制する者がきれいを制する」と肝に銘じて、メイクは繊細に行ってくださいね。繊細さを忘れて無骨になってしまうと色気がなくなって、メイクが一気におばさん化してしまいますから。
――魅力的な女性であるためには繊細さを保ち続けること、そして、光と影が必要なんですね。
そうなの! 影だけでは暗い印象になってしまうし、光だけでも締まりがなくなってしまう。影と光を両方取り入れることによって、視線を惹きつける印象的な目元になるんです。アイラインもナチュラルに見せたい時は綿棒でぼかす回数を増やす、あるいは、華やかにしたいときは太めにしたり、色をブラックからブラウンに変えたり、目尻側のラインをいつもより長くしたりするだけでも印象は大きく変わります。TPOに合わせてラインを使いこなせるように、ぜひこの秋こそ基本のテクニックを磨いてみてください。