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分岐点は46歳。小さな意識からすべてが変わった

分岐点は46歳。小さな意識からすべてが変わった

 

多くの反響をいただいたコラム「分岐点は46歳」シリーズの続編をお届け。「夫との出会いも含めて私の人生のターニングポイントは間違いなく40代後半」と語る藤原美智子が、食生活に続き、マインドの変化について語ります。

思考を広げてアンテナを張ることで、出会いは引き寄せられる

――前回のコラムでは旦那さまとの馴れ初めを伺いました。47歳の大晦日に除夜の鐘を聴きながら初めて結婚というものを意識し、その意識が旦那さまとの出会いを引き寄せたと。

47歳の大晦日から48歳の夏に夫と出会うまで、実はある本を読んでいたんです。今は人にあげてしまって、タイトルを思い出せないのだけど(苦笑)、とにかく自分の枠を広げる、誘われたらとりあえず行ってみる、というようなことが書かれていて、私にとって目からウロコな一冊でした。それまでは異性に食事に誘われても興味がなければ行かないタイプだったけれど、友だちを介して夫から食事に誘われた時、ふと本に書いてあったことを思い出して、とりあえず行ってみようかなと。その前に友だちが急に彼を呼び出して、酔っ払いながらラーメンを食べたというロマンチックのかけらもない初デートをしていたので、気が楽だったこともあるんですけどね()。そこから結婚までの展開は前回のコラムの通りです。

 

――本との出会いが人生を変えたんですね。

本って自分の中にはない発想や、未知の世界、別の生き方が凝縮されていて、たくさんの気づきを与えてくれますよね。最近だとYouTubeもそれに近いものがありますし。自分の思考を広げて、アンテナを張って意識していると、新しい出会いが自然と引き寄せられる。だからこそ、アクションを起こす前に、自分の内面を意識する時期を設けることが、人生においてとても大事なんじゃないかなと思うんです。

 

 “気づける状況”を作って、ふと湧き上がる感情をキャッチする

――動き出す前のウォーミングアップとして、意識する時間が大切なんですね。

無理に行動をして何かを変えようとするのではなくて、日常の中で、ふと湧き上がってくる感情を逃さずにキャッチして、まずは自分の頭でちゃんと考えて整理することが大事じゃないかしら。私も、除夜の鐘を聴きながら内面を見つめたり、本を読んだりした時に、湧き上がってきた感情を逃さずにキャッチしたことから40代後半の人生が動き出したと思っています。

 

――忙しない毎日を送っていると、ふと湧き上がってきた感情をスルーしてしまうような気がします。どうしたらキャッチできるのでしょうか。

人の脳は1日に6万回の思考をおこなっているとも言われているので、スルーしてしまうのも無理はないですよね。それに、心に余裕がなければ自分の内側にある思いや感情にも気がつけない。だから、瞑想というものがあるんでしょうね。でも、改まって瞑想をしなくても、例えば歩いてるときに空を見上げてみるとかでもいいと思うんです。そうやって“気づける状況”を自分で作ることで、湧き上がってきた感情をキャッチしやすくなると思います。あとは「マインドマップ」のように湧き上がってきた感情をひたすら紙に書き出すのもおすすめ。スマホが常に手元にある今の時代だと、ボーッとしたり、紙に書くことって本当に少ないから、意識的にそうした時間を作る必要があると思います。

 

ぼんやりと静寂に身を置く時間から、人生の決断が生まれて

――40代後半の美智子さんは、仕事もバリバリされていたと思うのですが、どうやって自分と向き合う時間を作っていたのでしょうか。

忙しい中でも、本を読んだり、紙に書いたりということはしていたけれど、一番じっくり自分と向き合っていたのは、一年の終わりの大晦日。毎年、大晦日に除夜の鐘を聴きながら「来年はどんな年にしようかな」と、ぼんやり想いを馳せるんです。33歳の時は「そろそろ責任ある人生を体験してみようかな」という想いが湧き上がって、翌年に事務所を設立しましたし、47歳の時は「そろそろ生活を楽しんでみようかな」という想いが湧き上がって、結婚を意識するようになりました。

 

――確かに鐘の音を聴いていると、倍音が心地良くてボーッとしますね。

シンギングボールも持っていますが、鐘の音って頭を働かせないための音なんでしょうね。私は川のせせらぎ音も好きで、寝る前にスマホで流しながら眠ることもありますが、自分が落ち着く音や景色を見つけて、忙しない日常のなかに、静かで心が落ち着く時間を少しでも作ることは大事なことだと実感しています。そうして自分の中に湧き上がる想いをていねいにキャッチしていけば、自然と思う方向に人生が切り拓かれていくんじゃないかなと思います。

 

 

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