分岐点は46歳。食を変えて肌も暮らしも変わった。【前半】
おいしいものに目移りしてしまう、食欲の秋。年々代謝が落ちて体型キープが難しくなる大人世代としては、グルメを楽しみつつも、食べ過ぎに気をつけたいところ。46歳で食生活を見直して以来、健康的な肌とスタイルをキープしつづけている藤原さんに、普段の食生活や心がけ、実感している変化について伺いました。
1日の中で「バランス」を取り、「腹七分目」で満足する。
――藤原さんの普段の食生活について教えてください。
藤原:朝食は、白湯、季節の果物を2種類、コーヒー、ミックスナッツ、クッキー1枚程度。私は胃腸があまり丈夫ではないので、朝からしっかり食べちゃうと消化にエネルギーを取られて疲れてしまうんです。だから、朝食はなるべく消化に労力を使わないものを、ごく軽くd。その分、活動的になる昼は炭水化物をきちんと摂ります。夜は寝るだけなので、炭水化物は控えて野菜や肉をメインに。でも、外で人と食事をする時はなるべく相手に合わせます。こだわり過ぎてしまうと、自分も周りも楽しくないですから。
――食生活で特に意識していることはありますか?
藤原:「バランス」と「腹七分目」です。全然面白くない答えでごめんなさいね(笑)。でも、本質的なことって、たいてい面白くないんじゃないかしら。食に関しても「これさえ食べればいい」っていうキャッチーな極論も近道もなくて。10年ほど前に栄養学の学校に通ったこともあるけれど、最終的には、体質は人それぞれ違うから、自分に合うものをバランスよく食べることが大事だと学びました。自分に必要なものを選び取るためにはある程度の知識が必要なので、食について体系立てて学べたことはとても良かったと思っています。
――「腹八分目」とよく言われますが、藤原さんはその手前の「腹七分目」でやめられるんですね。
藤原:私は腹八分目にすると、九分目、十分目が食べたくなってしまうの。「この一口を食べたらもっと食べたくなる」というのが感覚的にわかるので、そこで潔く「ごちそうさま」。腹七分目にすると節制できた自分に満足できて、それ以上食欲に拍車がかかりません。特に、夜は七分目を超えてしまうと消化にエネルギーが奪われて、睡眠の質が下がってしまうので、食べすぎないように気をつけています。せっかく夜寝ている間に身体のいろいろな機能が修復されるのに、消化に労力を回してしまうのはもったいない。でも、心地よい食事量は人それぞれ違うし、年齢やライフスタイルによっても変わってくるので、「自分にとってのベスト」を意識的に探し続けていくことですよね。
常温の水から始まり、食材や調理法にも気を配るように。
――いつ頃から、そうした健康的な食生活を送られているんですか?
藤原:ターニングポイントは46歳の頃。それまでは、自分の身体の「外側」にフォーカスしてきたけれど、ふと「インナービューティー」というものを考え始めるようになって。まずは、朝起きて常温の水を飲むことから始めました。最初は冷たくない水って全然おいしくないと思ったんだけど、10日もすると慣れてきて、むしろ常温の水の方がおいしいと感じるように。次に取り入れたのが、有機野菜。ちょうど宅配有機野菜のチラシがポストに入ってたから試しに注文してみたら、すごくおいしかったんです。そこから、肉や魚もよく選んで買うようになり、鶏や魚を丸ごと調理して出汁をとったり、いろいろと凝るようになりました。
食生活を変えて、長年の悩みだった乾燥肌が改善。
――食生活を変えてから、体質や肌質に変化はありましたか?
藤原:肌は明らかに変わりましたね。今はお酒も全然飲まないし、夜の炭水化物も控えめだけれど、40代まではお酒もよく飲んでいて、「〆はラーメン!」なんてやっていたの。あのころは本当に肌が乾燥していてましたね。乾燥肌は体質なんだと思い込んでいたけれど、お酒の影響もかなりあったと思います。アルコールを摂取すると体内の水分が奪われるから、水をたくさん飲まないといけないのに、水を飲まずにお酒を飲む(笑)。それは肌が乾燥するわけよね。夜中のラーメンで塩分をとれば、むくみも出るし、消化にエネルギーを使ってしまうと肌代謝もうまくいかないですからね。
――乾燥肌を食生活で変えられたんですね!
藤原:当たり前のことだけれど、食べものでからだはつくられるんだなと実感しましたね。最初はちょっと我慢が必要だけれど、習慣になってしまえば我慢しなくて済む。だから、3日坊主で辞めないで、まずは7日間、10日続けてみることが大事だと思います。私の場合は3週間くらいで、思考も内臓も肌も髪も変わっていくのを実感しました。もちろん、人それぞれ違うけども、1年もすれば誰でも変化を実感できるんじゃないかしら。からだの内側が変わっているということは、からだの外側、つまり肌も変わっているということ。肌は絶えず代謝して生まれ変わっていくものですから。(後編へ続く)