MICHIKO.LIFE ブランド誕生よもやま話 <後編>
前編では、MICHIKO.LIFE誕生のきっかけや、苦労話について伺いました。後編ではMICHIKO.LIFEの「LIFE」にフォーカスしたインタビューをお届けします。
「MICHIKO.LIFE」独自のこだわりとは?
──ビューティやライフスタイルにまつわるブランドがひしめく昨今ですが、「MICHIKO.LIFE」にしかないこだわりを3点挙げるなら?
ひとつはやはり「きほんのき」を大切にしていること。すべてのプロダクトはそこを起点に開発しています。迷わない、難しくない、そして流行をはじめとした外側の情報に左右されず、自分の美しさを磨けるということです。次に、外側だけではなく、内面からの美しさを引き出すブランドであること。
──内面からの美しさは、どのようにして引き出されるものなのでしょうか。
造形を整えておしまいではなくて、きれいが自信となって、そこからの考え方や生き方がよりよく変わっていく。そこまでをサポートできたらなと思います。流行だからとか、美しい○○さんが使っているから同じものを……ではなく、それが自分にとって本当に必要なことなのかを大事にしてほしいんです。その基盤を作るのが「きほんのき」なわけです。
──外的な情報にとらわれず、自分らしい美しさを育んでいくことを応援するブランドなんですね。
そうです。そして最後に、コトをどんどん展開していきたい、ということです。これはこだわりというよりも、これからの展望の話になってしまうのだけど、モノを提供しておしまいではなくて、真の美しさとはどんなものなのかをみんなで考えて、共感していく輪を広げていきたい。藤原美智子からみなさんへ、という一方向の矢印ではなくて、みんなで発信しながらシェアをしていくコミュニティを育てていきたいなと思っています。
きれいにまつわる「コト」を提案していきたい
──モノだけでなくコトも、ということについてもう少し詳しく伺いたいです。
いま、世の中にはモノが多すぎると感じています。選択肢は有り余るほどあるのに、どれが自分に合っているのか選べない人がとても多いですよね。だから、新しいモノをハイスピードで作って売るのではなく、価値のある体験をご提供したいと思うんです。
──たとえば、メイクレッスンのようなものでしょうか?
そうですね。でも、メイクテクニックをレクチャーするよりも、もっと包括的なことをイメージしています。たとえば、あなたはどうしてきれいになりたいの?というところから紐解いていく。トータルビューティデザイン、生き方をデザインするようなイベントができたらいいなと思っています。
──なぜきれいになりたいのかを考える機会って、実はなかなかありませんよね。
かつては、メイクアップアーティストが「これが今のきれいです!」と提案する時代だったけれど、今は多様性の時代。ひとりひとりが、より自分らしい美しさを大事にする時代ですよね。それに、情報を受け取るだけではなくて発信もできる時代です。だからお互いにきれいを追求しながら、ひとりひとりが自立して、また別の場所に美の種を撒く……そんな連鎖が起こる場になれたら良いなって。
美は、生き方からつくられる
──お話を伺っていると、スキンケアやメイクアップにどんなものを使うかはもちろん大事だけれど、なぜ使うのか、どう使うのか、こそが大事ということですね。
いいものを知っている、という知識はもちろん大切だけれど、本当にそれが自分にとって必要かを見極める力はもっと大切。自分自身のこれからや、地球のこれからに必要なのか。きれいのためには、知力が大事です。大人は特にそう。生き方そのものが美しさにダイレクトに影響していきますから。
──美は生き方からつくられる、そのためには知力が必要……具体的には、どんなことを意識すればいいのでしょう?
たとえば、欠点を隠すことに必死にならない。シミやくすみをカバーして顔を真っ白にするのではなく、欠点はさりげなくカバーして、チャームポイントを強調する。そうすれば、自然と欠点は目立たなくなるんです。そういった匙加減に意識的になること。そして、川のように流れている人生のなかで、過去の自分にしがみつかない、固執しない。そして悲観しない。そのような生き方が美しさをつくると思います。
──「MICHIKO.LIFE」というブランド名の「LIFE」という部分には、ライフスタイルにまつわるアイテムを出していく、という意味が込められているのかなと思っていましたが、もっと広い意味がありそうですね?
もちろん、ライフスタイルに関係する、衣食住のアイテムを提供していきたいと思っていますが、生き方も提案していきたいと思っています。私は50代から肩書きに「ライフスタイルデザイナー」を加えたんですね。生き方にまつわる講演や執筆をしてきたし、取材も数多く受けてきましたが、私自身そうしたことを考えるのが好きなんです。多くの方ときれいのヒントを共有できるようなことを、これからも発信していきたいと思っています。
INTERVIEW & TEXT : AYANA
PHOTOGRAPHY : Yoshihiro Miyagawa