少しの工夫で、ぐっと魅力的に。美智子流・写真写りテクニック
お出かけ先で写真を撮る機会が増えるこれからの季節。多くの反響をいただいたコラム「撮影前でも、さっときれいに。ベース&ファンデのお直しテク」に続き、今回は藤原美智子流・写真写りテクニックをご紹介します。
口角で笑う、カメラは見ない。余韻を生み出す表情づくり
――美智子さんは写真撮影の際、表情の作り方やポージングなどで意識していることはありますか?
表情の作り方はいくつかポイントがあって。まずは、あご。下の歯をほんのちょっとだけ前に出すと、あごの輪郭がシャープに見えます。2つ目は、口角。口角を上げて口を軽く閉じると、自然と頬が上がってきれいな笑顔になるんです。3つ目は、目元。口角を上げた状態で目尻を下げるとシワが寄ってしまうので、目尻は下げないように気を付けつつ、下まぶたのふちをグーッと上に持ち上げるような感じすると、目に希望が宿るんです。
――慣れるまで練習が必要そうですが、美智子さんのお手本を見ると、確かに表情が全然違いますね!
鏡の前で何度か練習するとコツがつかめるようになると思います。あとは、視線も大事! よくカメラマンに「こっちを見てください」って言われるけれど、言われるままにカメラを見てはダメ。カメラの向こう側をみるのが正解です。それだけで、表情に余韻が生まれて、見るひとのイマジネーションをかき立てるような写真写りになるんじゃないかなと思います。
体重移動やひねりを加えて、ポージングを左右非対称に
――そうした写真写りのテクニックはどうやって習得されたんですか?
取材などで写真を撮られる機会も多いですし、ヘアメイクアップアーティスト時代からモデルさんをずっと見てきたというのも大きいと思います。撮影中はヘアメイクで直すところはないかとモデルさんをずーっと見ているので、それで自然と表情の作り方やポージングのコツがインプットされたのかもしれません。そのうち、新人モデルさんにアドバイスをするようにもなって……。カメラマンにはうるさいと思われていたかも(笑)。でも、仕上がりがいいとみんなうれしいですからね。そうやって自分の経験を次世代に還元していくことも、少しだけ長く生きている人間の役割かなと思っています。
――ポージングはどんなコツがありますか?
ポージングは、ただ立つだけじゃなくて、ちょっとだけアシンメトリーにするのがポイントじゃないかなと思います。体重移動したり、少し体をひねったり、片足だけ膝を内側に入れたりして、左右非対称にする。それだけでスタイルよく見えるし、おしゃれな雰囲気になるんです。シンメトリーの方が美しいとよく言われるけれど、人間的な魅力を感じるのはアシンメトリーの方だなとモデルさんたちの表情やポージングを見ていて気がつきました。
真面目なポーズより、自分らしい魅力を出して
――意識的に崩すことが大事なんですね。
そう。ヘアメイクも真面目すぎるとつまらないので、あえて崩したりすることがあるんです。完璧に整えられた美しさももちろんあるけれど、少し“抜け”や“崩し”があった方が魅力的ではないかしら。やり過ぎると不自然に見えてしまうのでさじ加減が大事ですけれどね。
――こうした写真写りのテクニックを身につけるだけで、日頃のスナップも集合写真もぐっと差がつきそうですね。
カメラの前でポージングするのは恥ずかしいかもしれないけれど、真面目な感じでポーズをするよりも、その人らしい魅力が出ると思いますよ。ぜひ、いろいろ試してみてください。次回(5月14日12時〜)のインスタライブでは、写真家の下村一喜さんをお迎えして、フォトジェニックな美しさをテーマに対談する予定なので、お楽しみに!