何歳からでも輝ける、上手な時間の使い方。
6月10日は時の記念日。限られた時間を有効に使い、充実した日々を過ごすためのアイデアを藤原美智子が語ります。

能動的な時間の使い方と振り返りが充足感を生む
――美智子さんは時間の使い方についてどんなふうに考えていますか?
時間って、受動的に使うか能動的に使うかで、その流れの早さは大きく変わると思うの。例えば何気なくスマホを触っているときは受動的になって、次から次へと与えられる情報を受け止めているだけだから、時間はどんどん過ぎていく。でも、同じ時間でも読書や勉強、バレエのレッスンをしているときは、「まだ20分しか経っていないの?!」って時間の流れがゆっくりに感じられるのよね。それは、時間を能動的に使っているという証拠。与えられるものに身を浸すのはラクだし、それはそれで楽しくもあるけれど、充足感は感じにくい。ちょっと大変でも、自分から行動を起したり考えたりすることの方が充足感を得やすいと実感しています。
――確かに、時間を有効に使えた時の充足感は大きいです。
そんな風に日中、能動的に過ごすと夜振り返った時、「今日も充実した1日になったな」という気分で眠りにつくことができるしね。今朝は読んだ本の感想をノートにまとめる作業をしたので、それを夜お風呂に入って見返すつもり。本を読んでふせんを貼ったり、マーカーを引いたりするだけじゃなくて、自分の言葉でまとめることで理解が深まる気がします。
――夜に1日を振り返る、素敵な習慣ですね。
子どもの頃って毎日宿題が出て、その日に習ったことを復習したり、日記を書いて1日を振り返ったりしていたでしょう? そうすることで記憶は整理され、学んだことが定着しやすくなるし、充実した気持ちで1日を終えられる。すごく理にかなった方法だったんだなと今更ながら思います。大人になるとなかなか1日の振り返りってしなくなるけれど、自分の成長や時間の大切さに気がつくことができる、とてもいい習慣じゃないかしら。

スケジューリングやTo Doリストには、朝のやる気を活用
――美智子さんは毎週日曜日に翌週のスケジュールを立てるのがルーティンになっているそうですね。
そう、日曜日の朝に翌週のスケジューリングをしています。なぜ夜じゃないのかというと、朝は疲れていないから(笑)。「よしやるぞ!」っていう気持ちの時にToDoリストや予定を書くと、やる気満々のリストやスケジュールが作れるの。時間がかかるタスクは1週間の中で時間配分を考えて、なるべく無理も無駄もないようにスケジューリングしています。
――朝のやる気と静けさを味方につける、と。
基本的には、朝4時半の起床からToDoリストに取り掛かって午前中に全部済ませて、お昼以降は仕事やフリータイム、夜はお風呂の中で1日を振り返るというのがベストなルーティン。時間の過ごし方は人によって違うけれど、いかに自分を満足させられる1日を過ごすかが大事なんじゃないかなと思います。
――やるべきことに集中してるときはスマホを触らないなど、自分の中で決めているルールはありますか?
そこまで厳密なルールはないの。作業の合間に連絡が来たら、なるべくその場で返事をするようにしています。でも、だらだらとスマホを見るということはないの。午前中にリストを全部やり終えたいと思っているので、用事が終わったら自然とパッと離れられるのかも。年代や性別、仕事の有無を問わず、ToDoリストは時間を有効に使うためにおすすめしたい方法です。

時間には限りがある。「今日が人生で一番若い日」と胸に刻んで
――ToDoリストやスケジュールはどのように管理していますか?
ToDoリストはタブレットに書き込んで、スケジュールはスマホの「lifebear(ライフベア)」というスケジュールアプリに入力しています。リマインダーは使わないの。その方が自分で時間をコントロールしているという実感が持てるし、自分の性格に合わないことはしない方がいいかな、と(笑)。あれこれ試して創意工夫して、やっと自分のやりやすい形ができてきました。自分の時間を制するために、自分に合うやり方を能動的に探していくことも大事かもしれませんね。
――時間に流されるのではなく、時間を制する。そういう心がけが大事ですね。
「人生の時間は限られている」ということが、年々身に染みてわかるようになってきたの。20代の頃はいつまでも歳を取らないと錯覚していたけれどね(笑)。でも、誰でも歳は取るし、時間の流れは平等。だから、なるべく早くそれに気づいて実践した方が人生をより豊かに充実したものにできると思うわ。
――先日発刊された著書『何歳からでも輝ける秘訣』にも、限られた時間を豊かに過ごすヒントがたくさん詰まっていました。この本の原稿も朝に書いていたそうですね。
そうなの。朝だと集中できるし、ポジティブな気持ちで書けるのがいいところ。7年ぶりの書き下ろしはなかなか大変だったけれど(苦笑)、今までの人生で培ってきたものを全て詰め込んだ、記憶と記録に残る一冊になりました。本を手にしてくれた人たちに「私が輝き出すのはこれからだ」と思ってもらえたらとてもうれしいです。今日が人生で一番若い日。そう心に刻んで、限られた時間を上手に使っていきたいですね。
Photo(portrait):Sachiko Horasawa Text:Sachiyo Kamata