月の秋。バイオリズムを整える。
秋の夜長を明るく照らし、女性のバイオリズムとも関わりがあるとされる月。藤原美智子が自然のリズムに合わせたケアとライフスタイルについて語ります。

「なんとなく不調」は、人に委ねて早めに底上げ
―――最近「月美容」が注目を集めていますが、美智子さんは普段の生活の中で月の満ち欠けを意識することはありますか?
あまり意識することはないけれど、人間の体の水分量は60%ぐらいなので、月の引力によって知らず知らずのうちに影響を受けているんじゃないかなとは思います。特に女性が気になるホルモンバランスや肌のターンオーバーは月の満ち欠けとほぼ同じ周期のようなので、なんとなく調子がいい・悪いという時はあるし、その感覚を測る自分なりのバロメーターを持っている人も多いんじゃないかしら。
――美智子さんのバロメーター、気になります。
私の場合、暑い時はパクパク食べていた白くまくんのアイスがいつの間にか食べきれなくなったとか(笑)、冷たい炭酸水が飲み切れなくなったとか、そうしたちょっとしたことで、自分の体も夏から秋へシフトしているんだなと感じます。美容も、この時期は、ふとした時にかさつきを感じるようになるの。いつもは2回つけている「スパークロイドミスト」を3回つけるなど、自分なりに調整しています。あと、毎日ストレッチをしているので、体の凝りやこわばりにも敏感かな。ちょっとでも不調を感じたら、その部分はいつもよりも優しく丁寧にほぐすようにしています。
――ルーティンがあると、「なんとなく不調」にも気付きやすいですよね。
自分でもなぜかわからないけれど、何となく調子が悪い、気分が上がらないという時は誰でもあると思うの。そういう時は、無理せず人に委ねるのがいいんじゃないかしら。私の場合は主に整体だけど、美容室やスパに行くのもいいですよね。プロに任せて、癒されたり、きれいになったりして体や気持ちの不調を早く底上げしてもらう。その上でセルフケアすると、調子を取り戻せるのではないかしら。

自然のリズムを感じることで、自分のリズムも整う
――調子は一気に上げず、少しずつ上げていくことが大事なんですね。
40代くらいまでは、私も調子の浮き沈みは大きかった気がします。でも、朝型の生活に切り替えてからは夜遊びはしなくなったし、お酒もやめたら食べすぎることも減りました。ストレスもうまく発散できているのか、極端に調子が悪くなることもほとんどなくなりました。そのせいか、感情の起伏も穏やかになったように思います。アップダウンは十分楽しんだから、卒業して良かったわ(笑)。年齢や性格的なものもあると思うけれど、今の私にとっては心身ともに波立たない「凪」の状態がいちばん心地いい。自分のリズムを作れるようになってきて、とても楽です。
―――自然のそばで暮らすようになった変化も大きいですか?
東京と下田の二拠点生活を続けるうちに、より自然のリズムを感じるようになったし、それによって自分のリズムも整ってきた感覚はあります。東京には文化的な刺激がたくさんあって、それはそれで楽しいのだけれど、年齢を重ねるうちに自然と下田でのんびりと過ごす時間が心地よくなってきたの。物質的なことや外的刺激よりも季節の移ろいや内面的な豊かさに興味関心が向くようになりました。あれだけ東京になじんでいた自分が、「もう東京では暮らせないかも」と思うまでになるのだから不思議。場所にもリズムがあって、人はその影響を自然と受けるものなのだなと感じています。
軸は持ちつつも捉われず、しなやかでありつづける
―――自分のリズムを整えるためのコツはありますか?
自分のリズムを整えることは、自分はこういう人間だと決めつけることではないと思うのね。ひとつのことに固執しすぎると体も心もしんどくなってしまうもの。自分なりの軸は持ちつつも、軸に捉われすぎず、しなやかでありつづけることが大事じゃないかしら。
人間も自然界で生かされている存在だから、いろいろな影響を受けて当然。「そういうこともあるよね」と、変化に対して柔軟でいられると心身ともに楽だと思います。女性は昔から月に例えられることが多いけれど、エネルギッシュで明るい太陽になる時もあれば、穏やかで神秘的な月になる時もあるでしょう? それが自然だと思うんです。太陽と月の間でしなやかに揺れながら自分の軸を見つけて、リズムを整えていきたいですね。
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Text:Sachiyo Kamata

