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今日着る服に迷わない。美智子流・ワードローブ整理術

今日着る服に迷わない。美智子流・ワードローブ整理術

残暑が過ぎ去り、衣替えシーズンが到来。コーディネートに迷わず、買い物の失敗も防げる、藤原美智子のワードローブ整理術を紹介します。

 

 

ライフスタイルに合わせて、服をシーン別に仕分ける

――先日、下田のご自宅のクローゼットを拝見させていただきましたが、きれいに整理整頓されていて、まるでお店のようでした! 

ワードローブの整理整頓は好きなんです。こだわっているのは、服をシーン別に分けること。例えば私は通年を通してチェック柄のシャツをよく着るのだけれど、例えば同じ柄のシャツでもカジュアルなコットン素材と、シックなシルク素材では印象がまるで違うでしょう? だから、アイテムごとはもちろん、どんなシーンで着るかまで考えて、アイテムを細かく仕分けるようにしています。こうすると、どういうテイストのアイテムがどれだけあるのか一目瞭然なので、コーディネートも迷わないし、「また似たようなものを買ってしまった!」という失敗も防ぐことができるんです。

 ――ワードローブはどう仕分けるかが大事なんですね。

手持ちの服を自分のライフスタイルに合わせてシーン別に分類し、棚や引き出しの中まで整理整頓して“見える化”すると、ワードローブは使いやすくなると思います。そのためにはまず、今の自分のライフスタイルはどういう場面が多いかなと考えることが大事。例えば母親、仕事、日常の3つのシーンで服をまず分類して、それぞれをアイテム別・色柄別に分けるという感じです。ここはちょっと頭を使うけれど、きちんと仕分けしておけば、毎朝のコーディネートに迷うこともないし、ショッピングもスムーズ。自分のワードローブを把握せずに買い物に出かけるのは、冷蔵庫の中身を見ないで買い物に出かけるのと同じで、時間もお金も無駄にしてしまいますから。

 

買い物も着用シーンを想定して無駄なく

――こうしたワードローブ整理術を身につけたのはいつごろですか?

20代のときに母が私のワードローブの引き出しを開けて「黒ばっかり!」って驚いたことがあって。「いや、そこは黒色の服の引き出しだから(笑)!」なんてやりとりをしていたくらいだから、若い頃から自分なりに整理整頓していたと思います(笑)。ヘアメイクの仕事はメイク道具もブラシ1本単位で細かく分けて収納するので、自然とワードローブの整理整頓も上達したのかもしれませんね。「たくさん服があるのに何を着ていいかわからない」「同じようなものばかり買ってしまう」というお悩みをよく耳にするけれど、そういう場合は自分のワードローブを一度見つめ直してみるといいかもしれないですね。ワードローブは人となりを物語りますから。

――美智子さんは買い物でも迷いがないんですね。

買い物に行く時も、ただ「かわいいから」「セールだから」という理由だけでは買いません。一目で気に入った服があっても、取材用、お出かけ用など、必ず着用シーンを想定して買うようにしています。着るシーンが思い浮かばなければ買わないし、1年に1回だけだとしても必ず着るのであれば買ってもOK 。こんなふうに着用シーンを考えるクセをつけるだけでも、買い物の失敗はぐっと減るんじゃないかなと思います。

 

 

生地やデザインは、今の年齢や肌感に合っているものを

 

――整理整頓されたワードローブを保つために、所有する服の数を決めるなど何かルールはありますか?

服の数までは決めていないですが、生地の傷みが気になるようになったら潔く手放すことにしています。いくら長く着られる服でもやっぱり生地は経年劣化するもの。そうした服を大人が着ると途端に清潔感がなくなって、みすぼらしい印象になってしまいますからね(笑)。ダメージ加工されたTシャツやジーンズをおしゃれに着こなせるのはハリとツヤのある若い肌だからこそ。もちろんファッションは自由ですが、年齢を重ねた大人の肌にはきちんと感のある生地の方が似合うのではないかなと思います。

――思い入れのある服でも手放せますか?

 ええ。思い入れがあっても、ブランドものであっても「ちょっと若すぎるかな」「もう着られないな」と思う服はアシスタントにあげたり、買取り店に持っていたりします。海外マダムのように肌の露出を気にしないスタイルも素敵ですが、個人的にはシワやたるみなど年齢を感じさせる部分は程よく隠れていた方が気持ち的に落ち着くし好きですね。ワードローブには、その時々の自分の年齢や肌に合ったものを残していきたいと思っています。

 

自分なりの決まり事を作り、コーディネートを組みやすく

――美智子さんの定番スタイルやコーディネートを組む時のコツを教えてください。

色はネイビーや黒などのモノトーンメインカラーで、柄はボーダーやストライプが定番ですね。最近はベージュ系ワントーンが人気だけれど、私の場合は肌がくすんで見えてしまうし、自分のキャラクターに合っていないのでベージュの服を着ることはほとんどありません。どちらかというと淡い色よりもはっきりとした濃い色味の方が気持ち的にも肌の感じにもしっくりくるので、きれい色を着るときもビビッドな色味を選ぶことが多いです。こんなふうにメインカラーを決めたり、差し色でビビッドカラーを取り入れたり、自分なりの決まり事を作るとコーディネートはぐっと組みやすくなります。秋服を探しに出かける前に一度ワードローブと向き合ってみると、迷いなくムダなく、自分らしいおしゃれを楽しめるのではないでしょうか。

 

Photo:Sachiko Horasawa
Text:Sachiyo Kamata

 

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