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自分の機嫌は、自分でとる。 梅雨こそ、セルフラブ。

自分の機嫌は、自分でとる。  梅雨こそ、セルフラブ。

 

ジメジメとして気分も落ち込みがちな梅雨。藤原美智子が今話題の「セルフラブ」をキーワードに、自分で自分の機嫌をとる方法や自己肯定感の高め方について語ります。

 

バレエ、整体、ネトフリ。自分に合う機嫌の取り方を見つけて。

 

――今年も梅雨がやってきました。体も心もなんだか“だる重”な時期です。

梅雨って、物理的に体が重くなりますよね。それはどうしようもないことなので、私はそのまま受け入れることにしています。気分が落ち込んだ時も、無理に前向きになろうと考えず、とことん落ち込む。何もする気が起きないなら、日中もベッドに寝転んでネトフリ三昧()。晩ごはんもテイクアウトで済ませてしまおう、なんて日もたまにはあります。そうやって自分をとことん甘やかしていると自然と飽きてきて、いつの間にかやる気が湧いてくるんです。でも、バレエを始めてからは、日頃から体を動かしているからか、だらだらしたいと思うことはすごく減りました。

――下田のご自宅には、バレエバーが置いてありましたね。

最初は面倒だなと思っても、目の前にバーがあるとやらないわけにはいかなくて()。はじめてしまえば気分が乗ってきて、もう一生懸命。終わったころには憂鬱な気分なんて、すっかり忘れています。ランニングも同じで、玄関を出るまでは憂鬱だけれど、外に一歩踏み出してしまえば、気持ちよく走れるんですよね。運動以外だと、整体に行くこともセルフケアの一つ。体全体を調整してもらうと、気分も軽やかになるんです。

――静的と動的、両方からアプローチしているんですね。

自分に合う機嫌の取り方をいくつか持っておくといいんじゃないかなと思います。私の場合は、バレエで体を動かしたり、整体に行って体全体を調整してもらうのが一番のケア。それができないときはネトフリを見ながら、思う存分だらだらすることにしています。映画はできるだけ前向きで単純な内容のものを選ぶのがポイント。エンタメとして楽しみながら、「私も頑張ろう!」って自分を鼓舞させています。

 

 

落ち込んだ自分を鼓舞する、“ポジティブな口ぐせ” を。

 

――最近は「セルフラブ」という言葉をよく耳にするようになりました。「自分を大切にする」「自己肯定感を高める」といった意味で使われることが多いですが、美智子さんはセルフラブについてどんなふうに考えていますか?

セルフラブは、その言葉通り「自分を愛する」ということで、人間の根本だと思うんです。自分を愛せなければ、他人も愛せないですから。他人を尊重することも大切で、それが日本人の良さでもあるけれど、行き過ぎてしまうと、人の目ばかり気にしてしまったり、自己肯定感が低くなってしまったり……。今はSNS時代ということもあって、その辺のバランスを持つことはすごく大事じゃないかなと思います。

 

 ――自己肯定感を高めるためのアイデアがあればぜひ教えてください。

自己肯定感が低くなりそうな時に、自分を鼓舞できるようなキーワードを見つけるがいいんじゃないかしら。「そんなの関係ねぇ」(笑)とか「何とかなるさ」とか、ネガティブな気持ちを打ち消せるものなら、なんでもOK。不思議なのだけれど、口ぐせのように何度も言い聞かせていると、自然とそういう自分になっていくんですよね。言葉の力って、すごいなと思います。

――それはもうトレーニングに近いかもしれませんね。

そうそう! 自分を尊重できる自分に育て上げるためのトレーニングです。どうやってトレーニングしたら自己肯定感が高まるか、その方法は皆違うので、自分で見つけるしかないんですよね。まずは自己肯定感が高まるキーワードを見つけて、自分に言い聞かせてあげることから始めるといいんじゃないかなと思います。

 

隣の芝生を見るよりも、自分の芝生を青くする。

 

――美智子さんもそうやって自己肯定感を高めてきたのでしょうか。

もちろん! 例えば「よし、A型のB型になろう!」ということをしていたこともあるんですよ()。私はA型なのだけど、B型の人って、いい意味で自分本位。それがいいなと思って、B型の人の真似をしたり、「この場合、B型ならどうするのかな」って考えるようにしたんです。そうしたら、気持ちの血液型はずいぶんB型に近づいて、ラクになってきました。そうやって、若いときからいろいろと、メンタルをトレーニングしてきたの。

――美智子さんの自分軸を大切にする生き方は、トレーニングの賜物なんですね。

初めてトレーニングしたのは27歳の頃。人と自分を比べて落ち込んでしまうような時期があったときに、「隣の芝生ばかり見てる暇があったら、自分の芝生を青くしよう!」って決めたんです。それから、紆余曲折はあったけれど、人と比べず、自分軸で生きられるようになりました。私はこれを「27歳の分岐点」と呼んでいるのだけれど、詳しくはまた次回のコラムでお話ししますね。

――楽しみにしています! 今はSNS世代を中心に「セルフラブ」が注目を集めていますが、いくつになっても自己肯定感は大切ですよね。

セルフラブも結局はバランスなんじゃないかなと思っていて。みんなそれぞれ「落ち着きどころ」が違うだけで、そこに正解も不正解もないはず。でも、他人と比べると、その心地よいバランスすらも他人軸になってしまって「こうしなきゃいけないのかな」と思いこんでしまいがち。他人軸ではなく自分軸で生きていくためには、自分にとっての心地よいバランスを一つ一つ具体的に見つけていくことが大事じゃないかしら。年代やライフスタイルによってもそれは変わっていくものなので、一度決めた自分軸にこだわる必要は全くなくて。ちょっと違うなと思ったら、その都度軸を修正していけばいいんじゃないかなと思います

 

Photo:Sachiko Horasawa
Text:Sachiyo Kamata
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