Skipする

私のガーデニングライフ、理想の庭の作り方

私のガーデニングライフ、理想の庭の作り方

 

紫陽花も見頃を迎え、雨上がりの青空に植物がいっそう美しく映える季節。伊豆・下田の自宅で撮影した写真とともに、藤原美智子が庭づくりのこだわりや日々のお手入れ、植物を育てる喜びを語ります。

 

現実と理想のバランスをとりながら、おおらかに楽しむ。

 

――美智子さんのガーデニング歴は?

下田に家を建ててからなので、17年目になります。それまではマンションのテラスで植物を育てるくらいだったけれど、20代の頃から自分の庭を持つことに憧れていて、雑誌などで理想の庭を見つけては切り抜きをスクラップしていたんです。もともと下田の家の土地には、立派な銀杏と栗の木、ソテツが植えられていたので、せっかくなら、それらを生かした庭づくりがしたいな、と。

――どんなイメージを持って庭づくりをはじめましたか?

東京との二拠点生活で、庭の手入れができるのは基本的に週末だけ。なので、雑草が多少伸びても気にならない、ナチュラルでおおらかな庭をイメージしました。もともと完璧に整えられた庭よりも、自然と融合してるような庭が好きだし、せっかく育てるなら、できるだけ手がかからず、おいしく食べられるものを植えたいな、と(笑)。庭にはもともとあった銀杏と栗の木、ソテツに加えて、レモンやブルーベリー、ストロベリーグアバなどの果樹、月桂樹、ローズマリー、ミントなどのハーブを植えています。庭の一角にはミニ畑を作って葉物類やミニトマト、キュウリなどの野菜も育てています。

――初めての庭づくり、迷いなどはなかったですか?

最初はどこに何を植えたらいいのか、どうお世話したらいいのかよくわからなかったので、プロの力をお借りしました。ちょうどガーデニング雑誌に連載を持つことになり、「初めての庭作り」をテーマに、ガーデナーの方と一緒に植物を植えたり、ウッドデッキを作ったり。庭づくりにおいては、最初に全体のイメージを決めること、そして、自分たちがどれぐらい手入れができるかということの見極めがとても大事。その土地の気候や庭の形はもちろん、ライフスタイルや年齢の変化もある。そうした現実と理想のバランスをどう取るかに、その人らしさが表れる気がします。それは、家づくりやヘアメイクと一緒だなと思いますね。

 

すきま時間に、ちょこちょこと。庭の手入れがリフレッシュに。

 

――お庭にはバラや紫陽花などの花が咲き、芝生もきれいに刈られています。これは日々のお手入れの賜物では?

もともとそんなに手入れが必要なものは植えてないんです。バラも最初にアーチを作ってガーデナーの方に誘引してもらった後は、たまにプロに剪定してもらうのだけれど、基本は枝が伸びたいように伸びさせています(笑)。芝生は夫の担当。マシン好きな男子としては、芝刈り機でダーッと刈るのが楽しいようで(笑)、頑張ってきれいにしてくれています。ただ、ここ数年は夫婦ともども夏の暑さが堪えるようになって、勢いよく茂る雑草も手に負えなくなってきて……。今は夏の間だけ人に貸して、庭のお手入れもしてもらっています。今後も無理のないペースで楽しめたらいいですね。

――日々のお手入れを無理なく続けるコツがあれば教えてください。

「何時から何時まで庭仕事」と決めるのではなくて、日常のすきま時間を利用してちょこちょこお手入れする方が続けやすいんじゃないかなと思います。「やらなきゃ!」と追い込むのではなくて、「この5分で、ここだけやってみよう」「ついでに、これをやっちゃおう」って。それを積み重ねていけば、ある程度、手入れはできるし、その数分の作業がいいリフレッシュになるんです。 

――そうした“ちょこちょこ手入れ”のおかげで、どこを切り取っても絵になる素敵な家と庭が保たれているんですね!

うちは夫が週末料理を作ってくれるのですが、もちろん、その間、私がゆったり寛いでいるなんてことは全然なくて(笑)。お掃除したり、庭に出て剪定したり、料理を手伝いにキッチンに戻ったり、あちこち忙しく動き回っています。男性は一度に集中して取り組むのが好きだけれど、女性は、合間合間にちょこちょこ手入れをする方が好きだし、得意という人が多いんじゃないかしら。すぐ手に取れるところに道具を置いておくことも、家や庭を心地よく整えるコツじゃないかなと思います。

  

ガーデニングならではの喜びや味わいが、暮らしを豊かに。

 

――17年続けているガーデニング。その魅力をどんなところに感じていますか?

咲いては枯れ、また咲いては枯れるという“生命のリズムに触れると、なんとも言えない感動が湧き上がるんです。自分が構ってあげられる範囲ではあるけれど、枯れた花や葉をカットしたり、水やりをしたり、日々お手入れをしていると、手をかけてあげれた分だけきれいになるのも嬉しい。これは女性が美しくなることとよく似ているなと感じます。あとは、花が咲いたり実がついたり、小さな発見があったときに「わぁ!」と心が躍ること。これはやっぱり何物にも代えがたい、ガーデニングならではの喜びですね。

  ――収穫した野菜やハーブ、果実はどんなふうに楽しんでいますか?

ハーブや野菜、レモンは普段の料理に使っていますし、ストロベリーグァバのジャム作りも定番です。そのまま食べられるものは、お手入れしながら、パクッとつまむことも(笑)。収穫の時期は終わりましたが、甘夏は何個かをまとめて、薄皮まできれいにむいて蜂蜜に漬けると、爽やかで甘くて、朝食に最高なんです。皮をひたすらむくのは大変だけれど、映画を見ながらだとあっという間。時間もムダになりません(笑)。プランター1つでもガーデニングは楽しめるので、ぜひ皆さんも気負わず、ちょこちょこお世話しながら、自分の庭を持つ楽しさを味わってみてください。

Photo:Sachiko Horasawa
Text:Sachiyo Kamata


ご登録ありがとうございました。 好評につき売り切れました。 在庫切れ