大人婚の魅力と、わが家のパートナーシップ【前編】
1月31日は「愛妻の日」。アルファベットの「I(アイ)」と「31(サイ)」の語呂合わせから記念日に制定されているのだそう。夫婦で仲むつまじく暮らす藤原美智子が、大人婚の魅力やパートナーシップについて語ります。
価値観の「ズレ」が生じにくいことが、大人婚の魅力の一つ
――美智子さんが結婚されたのは何歳の時ですか?
私が50歳、夫が53歳の時に結婚しました。結婚の報告をした時に、去年他界した義母が喜んで心から歓迎してくれたことがとても嬉しかったですね。すぐに打ち解けて、一緒に肩を組んで楽しいお酒を飲んだのもいい思い出です(笑)。若い時に結婚して夫婦で切磋琢磨しながら成長していくのも素敵だけれど、大人になって自分の価値観が完成しつつあるときに、本当に価値観の合う人と結婚して家族になるのも、なかなかいいものだなと思います。歳を重ねると、その後の人生で価値観が大きく変わることがあまりないので、「ズレ」が生じにくい。それが大人婚の魅力の一つかもしれませんね。
言いたいことは我慢せず、素直さと「ありがとう」を忘れずに
――美智子さんと旦那さまは、いつも仲睦まじくて憧れます。ずばり、夫婦円満の秘訣はなんでしょうか?
言いたいことを我慢しないことかしら。私たちは仲は良いけれど、互いに自己主張がはっきりしているタイプなので、付き合っていた頃はしょっちゅう喧嘩していたの。夫は最初の頃、喧嘩をするとプイッと怒って出ていってたのね。それで、ある時「出ていったら話し合いができないじゃない」って引き止めたの。そうしたら、それ以降、喧嘩しても出ていかなくなったの。「え⁉︎ 出ていかないのも面倒だな」と思いながらも(笑)、その素直さに感心しました。「この人、年齢の割に素直だから、まだまだ伸びしろがある!」って(笑)。
――「素直さ」がお二人の共通項なんですね。
そうですね。互いに根が素直だから、喧嘩をしても話し合いで歩み寄っていけると確信しました。私は当時、ヘアメイクアーティストとして活動していて、アシスタントの採用条件に「素直さ」をあげていたけれど、結婚相手に求めるものもそれと全く同じだと気がつきました。夫にそれを伝えたら「アシスタントと一緒にしないで〜」って言われましたけど(笑)。
歩み寄って努力を重ねて、二人のハーモニーができあがる
――喧嘩をしながらも互いに歩み寄って、パートナーシップを深めていったんですね。
私たちは自己主張が強い者同士だったけれど、ある時の喧嘩で夫が先に折れてくれたことがあったんです。驚いたけれど、夫が折れてくれたから私も折れなきゃと思えましたし、先に折れてくれた優しさが嬉しかったので、「ありがとう」と伝えました。夫も普段から「ありがとう」の言葉をよく口にするんだけれども、そこも二人の共通項かな。喧嘩の度に、少しずつ互いが歩み寄って小さな努力を重ねて、二人のハーモニーができあがっていった。そんな感じです。そのハーモニーがどんどん心地よくなっているので、今となっては親友のような間柄と言えるかもしれませんね。
ユーモアセンスこそ、夫婦円満のエッセンス
――今は全く喧嘩しないですか?
まさか! 今でもたまに喧嘩します(笑)。言いたいことを溜め込んでしまうと大きな溝になってしまうので、なるべく我慢しないで小出しに言うようにしているんです。夫には「君が5歳児だと思えば腹も立たないよ」と言われるのだけど、そう思ってくれた方が楽チンなので、5歳児は反論していません(笑)。
――喧嘩したら、すぐに軌道修正を図りますか?
私は冷戦状態が1週間と持たないタイプなんです。ちょっと頑張っても2、3日かしら。この間、2日間ほど“怒ってるアピール”をしてみたけれど、「なんか機嫌悪いね。どうしたの?」って、全然分かっていないの。もう呆れちゃって、怒るのも飽きてきたし、平常モードに戻しました(笑)。
――仲直りのきっかけは、ちょっとしたことだったりしますよね。
軌道修正に大切なのは、やっぱり笑いやユーモアじゃないかなと思います。夫は何事も真に受けてしまうところがあるので、私はいつも冗談っぽく「今、怒るとこじゃないから!」「今、笑うところだから!」とユーモア風に伝えていて。その甲斐あってか、夫はどんどん面白いリアクションができるようになってきました。今でも小さな喧嘩はするけれど、二人の会話が何よりも楽しくて心地いい。ユーモアって夫婦円満に欠かせない一つのエッセンスだなと思います。【後編に続く】