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私のデュアルライフ、理想の暮らしの描き方

私のデュアルライフ、理想の暮らしの描き方

 

コロナ禍を経て、ますます注目が高まるデュアルライフ(二拠点生活)。15年にわたり、東京と伊豆下田のデュアルライフを送る藤原美智子が、その魅力や、理想の暮らしの描き方について語ります。

 

 

人生はイメージし、口にした方向に進んでいく

 

――美智子さんが東京と伊豆下田のデュアルライフ(二拠点生活)を始めたきっかけは。

下田に家を持って15年経ちますが、もともと下田にルーツがあるわけでも、知り合いがいたわけでもわけでもなくて。自分一人だったら住むことはなかったと思うので、そういう意味では、結婚が一つのきっかけになったかもしれないですね。実は下田は、結婚前から夫とよくデートに行っていた場所。「こういうところに住めたらいいよね」「とりあえずアパートでも借りようか」って軽い気持ちで物件を探し始めたら、すごく気に入った場所が見つかって。家を建てる予定は全然なかったけれど、自分の中のイメージにあまりにもぴったりだったので、もう即決。夫はいつものごとく「ホントに!?」って驚いていました(笑)。

 

――そうなんですね(笑)。周囲にもかなり驚かれたのでは。

 私はいつも決断が早くて迷いがないから、周りからびっくりされっぱなし(笑)。ただ、今振り返ると、42歳あたりから、講演や取材などで将来の夢を聞かれた時に、今の暮らしにつながるようなことを語っていたんですよね。「海の近くに住んで、日の出とともに起き、日の入りとともに寝る。そんなシンプルな生活に満足できるような人になりたい。だからやりたいことは全部、今のうちにやっておこうと思います」って。

 

――その通りになっていますね!

 そうなの! 下田の家を建てた後にふと気がついて、自分でもびっくり ()。やっぱり人生って、良くも悪くもイメージしたり、口にした方向に進んでいくんだと改めて実感。普段から、なるべく良いことを考えて、理想をどんどん口にしていくことが大事だなと思います。

 

イメージを明確にすると、迷いなく選択できる

 

――コロナ禍を経て、デュアルライフや移住に関心を持つ人が増えています。

 下田も、仕事でよく行く軽井沢でも、そうした傾向を感じます。デュアルライフと言っても、仕事や年齢、家族構成などによって本当にケース・バイ・ケースですし、さまざまな課題があるかもしれません。でも、今すぐ具体的に計画を進めなくても、将来はこういうところに住んで、こういう暮らしをしたいなって思い描くだけでも楽しい。そうしたイメージが無意識層に働きかけて何かをチョイスするときに迷いなく決断ができるようになる気がするんです。その場で直感的にパッと決めたように見えて、実は普段からぼんやり考えていたことが積み重なってかたちになることってたくさんあるから、常にイメージを持ってた方が夢に近づける気がします。

 

――大人になってもイメージすることって大切ですね。

 何事もイメージすることから始まる気がします。私は20代の頃、よく雑誌の写真を切り抜いてスクラップブックを作ってたんです。好きなヘアメイク、美しいと思う女性像、好きなインテリアやライフスタイル……。雑誌をひたすら切り抜いて貼りつけたり、ブックをめくりながらイメージがどんどん具体化していくのが楽しくて。そうやって自分の中のイメージを明確にしていくと、選択や決断に迷いがなくなり、人の意見に左右されてブレることがないんですよね。下田の家を建てる時も建築家の方に自分のイメージをはっきりと伝えることができましたし、後のインテリアや庭づくりにもスクラップブックがとても役立ちました。

 

――スクラップブックづくりなら今すぐ始められますね。

私は雑誌の切り抜きが一番しっくりくるけれど、いろいろなイメージ写真をフォルダ分けしてスマホやタブレットに入れてもいいし、便利なアプリもいろいろあるし。紙でもデジタルでも、どんな方法でもいいから、イメージは常に持っていた方が理想に近づけると思います。

 

刺激を得る都会、自然に帰る海辺。それぞれの良さを再確認

 

――実際にデュアルライフを始めてからは、どんな変化がありましたか。

下田の家での過ごし方はとてもシンプルで、野菜や花のお世話をしたり、自家製味噌を仕込んだり、テラスで食事をしたり、浜辺で犬の散歩をしたり。朝は太陽の光で起きて、夜は波の音を聴きながら眠りにつく。それだけのことですが、「自然とともに生きている」というふうに感じられて、とても心地いいんです。15年経つので下田にも知り合いが増えましたし、地元に帰ってきた感じがして落ち着きます。さまざまな人や物事から刺激を得られる東京と、シンプルライフを満喫できる下田を週末ごとに行き来することで、都会と海辺、それぞれの良さに気づくことができる。とてもいいチョイスだったと思います。

 

――週末ごとに車で行き来しているんですね!

 東京と伊豆下田は片道3〜4時間かかるというと、みんな驚くんですが、もう慣れてしまったので、全然苦になりません。ただ、夫婦ともに年を重ねて下田の暑さと庭仕事が堪えるようになってきたので(苦笑)、去年から夏休み中だけ人に貸しているんです。その間、庭のお手入れもしてもらえるので、すごく助かっています。少し涼しくなる秋口からまた行き来を再開して、年末年始やゴールデンウィークなどの連休は下田で過ごすという感じです。

 

――軽やかにデュアルライフを実践されていていますよね。

 環境が変わると、それだけで気持ちもリフレッシュできて、エネルギーチャージできるの。だから最近は、旅行に行きたい気持ちがあまり湧かなくなってきてしまって(苦笑)。リフレッシュは向こうからやって来るものではないから、自分で意識的に機会をつくる必要があるけれど、その方法を考えなくてもよくなった。それも二拠点生活のメリットかもしれないですね。

 

――最近は軽井沢へもよく行かれていて。

仕事なので日帰りが多いですが、たまに友人の家に泊まらせてもらうことも。軽井沢は高原だからまた全然違う心地よさがあって、都会・海・高原と、三者三様のよさを体感できる今の暮らしが気に入っています。ちなみに、愛犬のアルフは場所へのこだわりは全然ないみたい。いつでもどこでもうれしそうに満足しているようです。そんなこだわりのなさは見習う必要もあるかもしれませんね(笑)。

 

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