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いつもの食卓に、お気に入りの器を

いつもの食卓に、お気に入りの器を

 

実りの秋・食欲の秋に向けて、食器やカトラリーを揃えたくなる時期。藤原美智子が自身の愛用品とともに、器選びやコーディネートについて語ります。

 

上質な食器ほど、仕舞い込むより普段遣いを

 

――器好きで知られる美智子さんですが、どのようにして食器を集めていますか。

洋食器の場合はテーブルセッティングの核となる大きなプレートから、和食器の場合は茶碗と汁椀から決めて、それに合うような小皿やカトラリーを集めています。メインのお皿を決めて、そこから小物へとイメージを広げていくと、全体的にバランスが取りやすくなるのではないでしょうか。と言いつつ、私自身は20代の頃にカトラリーから決めてしまったタイプ(苦笑)。年月をかけてバランスを整えてきたけれど、新たに食器を揃えるなら大きなプレートの方がスムーズじゃないかなと思います。

 

――なぜカトラリーから揃えたんでしょうか?

20代の頃に訪れたフランスで「クリストフル」のカトラリーに一目惚れしてしまったんです。マニッシュで品のあるかっこよさにひかれて、海外に行くたびに1〜2本ずつ買い足して、普段使いしてきました。銀食器はお手入れが大変というイメージがあるけれど、だからと言って食器棚に仕舞い込むよりも、毎日のように使っていた方が美しさが磨かれていく気がします。靴、バッグ、ジュエリーなどもそうですが、上質なものほど普段使いして自分になじませていきたいですね。

 

お気に入りを集める楽しみ、自分流に組み合わせる楽しみ

 

――少しずつ集めた食器は、より愛着が増しそうですね。

流行り廃りに関係なく、いつでも同じデザインのものを買い求められて、お手入れしながら長く使える。これが老舗ブランドの一つの魅力じゃないかなと思います。クリストフ、ジノリ、アスティエ・ド・ヴィラット、バカラなどが好きで、歴史が長いブランドはアンティークも多いので、蚤の市などで掘り出し物に出会えるのも楽しみです。普段使いの洋食器やコーヒーカップ&ソーサーは「ジノリ」をメインで使っていますが、華やかなデザインよりも、シンプルでマニッシュなデザインのものが好み。「アスティエ・ド・ヴィラット」も昔から集めていて、ジノリの食器と組み合わせると程よいアクセントになるのでお気に入りです。

――食器をコーディネートするときのコツはありますか?

まずは、自分自身のスタイルを決めておくことではないでしょうか。全て同じブランドで統一するのが好きか、いろいろな要素をミックスして自分なりの世界観を作るのが好きか。私はファッションやジュエリーと同じように、テーブルコーディネートも自分なりにミックスするスタイルが好き。お気に入りのブランドやテイストを決めておくと、異なるものを組み合わせてもバラバラになりません。洋食器は白、カトラリーはシルバーで揃えていますが、コーヒーカップ&ソーサーはイエローやグリーンなどの鮮やかな色を取り入れて遊び心を。デザインが同じであればカップとソーサーの組み合わせを替えてもまとまりが出るので、色のコーディネートも楽しめますよ。

――グルメの秋に向けて、お気に入りの食器を揃えていくのも楽しいですね。

シンプルな料理でも素敵な器に盛り付けるだけでおいしそうに見えるし、テーブルが明るくなるでしょう? 料理を目でも楽しめるし、仕草も自然と丁寧になるから、食べ過ぎ防止にも役立つんじゃないかしら(笑)。器にはお気に入りを少しずつ集めていく楽しみと、自分流にミックスしてコーディネートする楽しみがあって、目にするたび、手にするたびに気持ちが上がる。そういう意味ではファッションやメイクにも通じる部分があるし、暮らしを豊かにしてくれるエッセンスだと思います。器選びは知れば知るほど奥が深いですが、まずは自分の「好き」を大切に、お気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。

 

Photo:Sachiko Horasawa
Text:Sachiyo Kamata
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