Skipする

料理がはかどる、美しいキッチン。

料理がはかどる、美しいキッチン。

 

食欲の秋が到来。日々の料理に欠かせない愛用のキッチンツールや、使いやすく美しいキッチン収納について藤原美智子が語ります。

 Photo(portrait):Sachiko Horasawa

不便に気づいたら配置替え。プラスチックはしまい、天然素材だけを表に

――美智子さんのキッチンへのこだわりを教えてください。

キッチンには使いやすい導線や手順というものがあるので、それに沿ってものを配置するようにしています。でも、一度決めたらおしまいじゃなくて、日々使う中でちょっと不便だなと感じたり、夫が不便そうにしているのを見たりしたら、その都度ちょこっとアップデート。パントリーや冷蔵庫の中も定期的に見直しています。夫は一度配置を決めたらあまり変えたくないタイプなので最初はあれこれ言うけれど()、一週間もすれば慣れてきて、「便利でしょ?」と聞くと「まぁね」という返事が返ってきます(笑)。

――美智子さんのご自宅のキッチンを拝見していて気がついたのですが、プラスチック製のものがほとんどないですね。

そうですね。タッパーやサラダスピナーなどプラスチック製のものは、表には出さずに扉の中にしまうようにしています。見た目の美しい天然素材の道具は外に使いやすいように並べて、プラスチック製の便利な道具はパントリーや引き出しの中にしまう。これが美しいキッチンに見せる一番簡単な方法じゃないかしら。

 

 

本質的な美しさがあるもの、まじめに作られたものは長く愛用できる

――長年愛用しているキッチンツールはありますか?

キッチンにあるものは、ほとんどが長く愛用しているものですね。MICHIKO.LIFEで取り扱っている天然木のカトラリーセットも長年愛用しているものなんです。びんに挿しておいて、調味料をすくったり、鍋をさっとかき混ぜたり、取り分け用のスプーンとしてテーブルに出したり、いろいろな使い方ができます。作家・佐々木貴充さんが一本一本丁寧に創るこのスプーンには素朴さとマニッシュさと繊細さの絶妙なバランスがあって、器を選ばないのも魅力。音や口当たりが優しいのも天然木ならではですね。

――キッチン便利グッズや時短家電などはあまり使わないですか?

もともとキッチンアイテムにはあまり利便性を求めないタイプなの。本質的な美しさがあったり、まじめに作られているものの方が長持ちするし、私にとっては使いやすいんです。食洗機も置いていないし、最近はフードプロセッサーもほとんど使わないけれど、精米機はよく使っています。精米したてのお米はおいしいし、分づき割合を変えたり、米ぬかをぬか漬けやスキンケアに有効活用できるのもいいですね。米ぬかに水を少し加えてペースト状にしてから、手の甲やひじ、膝などに塗って軽くマッサージしてから流すと、驚くほどツルツルになるし、しっとりするんです。

 

昔ながらの道具で料理をおいしく。季節のお楽しみも大切に

――コンロの上には使い込まれた鉄瓶がありますね。これでお湯を沸かしているのですか?

この鉄瓶は茶道を習っていた33歳の頃に骨董屋さんで買ったものです。この鉄瓶でお湯を沸かして柄杓で汲んで注ぐと、気持ちが穏やかになるし、お湯もまろやかでおいしい。他にも、嫁入り前から使っている道具はたくさんあるの(笑)。野菜や肉のおいしさを引き出してくれる鉄製のグリルパンや中華せいろ、切れ味のいい「ヘンケルス」の包丁は日々の料理に欠かせない相棒です。竹製のざるもよく使いますね。鍋の具材をのせたり、そばやうどんをのせたり、いろいろ使えるので一つあると重宝します。

――モノを一つ一つ吟味して選び、大切に扱っていることが伝わってきます。

あれもこれもと買っているとキリがないし、流行と同じで便利なものほど、あっという間に“旬”が過ぎてしまう気がします。やっぱりキッチングッズは昔からあるものの方が使いやすいし、飽きがこなくて好き。と言いつつ、今年の夏にはずっとほしかった「かき氷器」をついに買ってしまいました(笑)。使う時期は限られるけれど、かき氷好きとしてはこれがあると夏の楽しみがぐっと増えるので、私にとっては必需品ということで(笑)。何が必要で何が便利かは人それぞれ。自分にとって使いやすくて心地いいキッチンに整えていきたいですね。

 

 Text:Sachiyo Kamata

ご登録ありがとうございました。 好評につき売り切れました。 在庫切れ