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熊野の筆職人と生み出した、究極の描き心地

熊野の筆職人と生み出した、究極の描き心地

 

この秋新発売し、今までにない描き心地が早くも話題を呼んでいる新作アイライナー「メイクコントロールライナー」。今回は、奈良や熊野をルーツとする筆職人と藤原美智子が共同開発したオリジナル筆のこだわりを語るスペシャル対談をお届けします。

 

 

毛材と配合に徹底的にこだわり、しなやかさとコシを両立

 

藤原:本日はお忙しいなか、ありがとうございます。私たちが共同開発したオリジナル筆を採用した「メイクコントロールライナー」がついに発売になりました! 

筆職人:ようやく発売になりましたね! 

藤原:今回の筆作りで目指したのは、しなやかさとコシの両立。肌当たりの良い毛先のしなやかさを持ちながら、中央から根元にかけては芯があって、安定したラインが描ける筆を作りたい。そうオファーさせていただいたのが始まりです。

筆職人:これまでにさまざまなメーカーの化粧筆を作ってきましたが、今回のオファーはなかなか難題でしたね(苦笑)。でも、美智子さんが最初にズバッと要望を言ってくださったので、3種類の毛材をブレンドして筆を作るという方向性はすぐに決まりました。3種類の毛材の配合を微妙に変えながら何度も試作品を作って調整を繰り返しました。

藤原:毛材の選定や毛量配分にもかなりこだわっていただいて。

筆職人:柔らかさが異なる3種類の毛材を選定し、一番柔らかい毛を他よりも少しだけ長くして、筆の先端にしなやかさを持たせています。今回の美智子さんのこだわりは「しなやかさとコシを両立させた筆」でしたので、筆先にあたる柔らかい毛の配合をギリギリまで少なくしているのがこだわりです。

 

 

 

藤原:柔らかい毛が多いとしなやかにはなるけれど、多すぎるとコシがなくて描きにくくなってしまう。「ちょうどいいバランス」って実はすごく難しいですよね。私はヘアメイクにおいても常に王道のバランスを求めていたのですが、筆作りも同じだと感じ入りました。

筆職人:その通りです。加えて、今回のアイライナーはリキッドタイプなので、液含みのよさも重要なポイントでした。3種類のうち1種類を機能性繊維毛にしたのですが、この毛は断面が星形になっているので、液含みがとてもいいんです。筆が液を十分に含まないと肌の上で滑らないので、いくらしなやかな筆先でも肌あたりが硬く感じられてしまう。逆に液を含みすぎるとラインが滲んでしまいますから、そのあたりのバランスにもこだわりました。

 

 

ミクロのこだわりと、熟練の職人技が違いを生みだす

 

藤原:ちなみに「メイクコントロールライナー」1本あたりの毛量ってどのくらいですか?

筆職人:300本です。

藤原:この細い筆先に300本も使われているんですね!

筆職人:詳しい本数は企業秘密に関わるので言えないのですが、毛5本、重さにすると0.005g違うだけで、描きやすさも肌あたりも全く違うものになってしまうんです。

藤原:まさにミクロのこだわりですね。先ほど、毛揉みの工程も見せていただいたんですが、その手さばきに見惚れてしまいました。輪ゴムで束ねられた3種類の毛材が指先だけで均一に混ぜられて、毛束の底がまるで糊で固めたようにぴったりと揃っていて! 仕上げに、少しはみ出した毛を手作業で丁寧に抜いていましたが、わずかに数本だけ。すごい技術です!

筆職人:薬指で輪ゴムを押さえながら、親指と中指を動かし毛を揉んで均一に混ぜていくのですが、この毛揉み技術が奈良や熊野をルーツとする筆作りの特徴の一つと言えます。天然毛と繊維毛では異なる部分もありますが、1200年以上の長い歴史を誇る技術を時代とともに進化させながら受け継いでいるんです。

 

 

 

藤原:道具を使わず、指だけで均一に混ぜられていくのが本当に不思議で、まるでマジックを見ているようでした。簡単そうに見えるのですが、すごく難しい技術なんでしょうね。

筆職人:練習すれば誰でも習得できる技術ではありますが、大事なのは、技術の完成度をいかに高めていくか。指の圧や角度、スピードを一定に保ち続けなければならないので、実はかなり筋力を必要とするんです。最初の頃はしょっちゅう腕がつっていましたし、作業台と常に接地している指の皮は剥けてタコになっていますね。

藤原:この手揉み工程は機械化できないのでしょうか?

筆職人:機械化はできていますが、私が求めるレベルには達していないです。同じ原料を使っても作り方が違うと別物になってしまう。海外ではまず同じものは作れないと思います。

 

1万本分の筆を一人の職人が手揉みした、究極のアイライナー

 

藤原:このアイライナーの手揉み工程は何人くらいで分担されているんですか?

筆職人:私と弟子の2人でやっています。初回生産分約1万本に関しては全て僕が一人で手揉みしました。

藤原:1万本分の筆をたった一人で?

筆職人:はい。毛材の選定から毛揉みまで全て私一人で行っています。毛揉みした束をアイライナー1本分ずつに分けて成形する工程は機械で行いますが、その機械の設計も全て私が責任を持ってやらせていただきました。

藤原:すごい! たった一人の職人さんが手がける、まさに究極のアイライナーですね。

筆職人:筆に関しては、まさに美智子さんが求められていたものが出来たんじゃないかなと思います。

藤原:細部までこだわって丁寧に作っていただいたおかげで、私が長年追い求めていた究極のアイライナーができました! 本当にありがとうございます。

筆職人:こちらこそ、新しい挑戦をさせていただきました。ありがとうございます!

藤原:アイラインを描くのが苦手な大人の女性って、実はすごく多いんです。でも、このアイライナーを使えば、誰でも簡単にきれいにアイラインが描ける。そう言い切れるくらいの自信作になりました。たくさんの方に、熊野の職人筆と私のメイクメソッドが融合した「メイクコントロールライナー」をぜひ体験していただきたいと思います。今日は貴重なお話を伺うことができて嬉しかったです。今度ぜひ筆作りの修行をさせてくださいね()

筆職人:ぜひ。美智子さんは器用でこだわりもすごいので、いい筆職人になるんじゃないでしょうか(笑)。これからもMICHIKO.LIFEのために、こだわりの職人筆を作っていきますので、皆さんに長く愛用していただけたら嬉しいです。

 

 

Photo:Sachiko Horasawa
Text:Sachiyo Kamata

 

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