美しく泣けるセレモニーメイクと自由に羽ばたく“大人の卒業”。

桜で彩られるセレモニーシーズン。藤原美智子が意外なセレモニーメイクの涙対策と、自身の卒業にまつわるエピソードを語ります。

泣いてしまいそうな時は、あえて“落ちるマスカラ”を。

――この春、お子さんの卒業式や入学式を迎える方も多いと思いますが、セレモニーメイクで気をつけたいポイントがあれば教えてください。

セレモニーメイクの場合、アイメイクはあまり濃くしすぎない方が上品に見えておすすめです。泣いてしまいそうだからと、ウォータープルーフの“落ちないマスカラ”を塗る人が多いのだけれど、そうしたマスカラは一度涙で落ちてしまうと、下まぶたに張りついて、きれいにお直しできないこともあるの。

――その経験、あります(苦笑)。目元が真っ黒になってしまうんですよね。

ちょっと涙ぐむくらいなら“落ちないマスカラ”で大丈夫なのだけれど、ポロポロと泣いてしまいそうな場合は、潔くマスカラを塗らないほうがきれいなこともあるの。ただ、MICHIKO.LIFEのマスカラは、ぬるま湯でスルンと落ちる仕様になっているので、たとえ泣いてしまっても、きれいに落ちるのが利点。ハンカチで軽く払えばきれいに取れるし、ビューラーいらずでカールアップできるので、記念撮影の前などにお化粧室でさっとお直しできます。セレモニーメイクについては以前のコラムでもお伝えしているので、参考にしてくださいね。

母に導かれ美容学校へ。家業は継がず、自分で切り拓いた進路

 ――ちなみに、美智子さんは自身の卒業式で泣いたりしましたか?

それが全然(笑)。高校は女子高だったから、“第2ボタン”みたいな甘酸っぱい思い出もないし、美容専門学校も高校生のときに通信教育を受けていたから、専門コースに1年間通っただけなの。生徒の年齢もバラバラだし、友達と別れる寂しさみたいなものもなくて。卒業するときにはヘアメイクアップアーティストのアシスタントになることが決まってたので、「早くアシスタントの仕事がしたい!」というワクワクするような気持ちでいっぱいでした。

――高校時代から美容専門学校の通信教育を受けていたとは驚きです。

美容師だった母の口車に乗せられたの(笑)。そのころは、美容院の娘は家を継いで美容師になるというのが王道で、母の友人で美容師だった方の娘さんも同じ高校に通っていたので、二人で一緒に通信教育を受けたり、サマースクールに行ったりしていたんです。でも、私は母の美容院を継ぐのではなく、他の道に進みたいと考えていて。専門学校を卒業する頃にたまたま週刊誌をめくっていたら、ヘアメイクアップアーティストのアシスタント募集の記事が載っていたので、すぐに電話をして見たの。母親には面接に受かった後に事後報告(笑)。美容にまつわる仕事ということで許しが出たのかも。卒業旅行は母と一緒に京都へ行きました。

――母娘の卒業旅行、素敵ですね。

初めての母娘二人旅だったの。タクシーを1日チャーターして、観光名所をあれこれ巡って、楽しかったですね。私の一番の恩師は、やっぱり母なのかなと思っています。以前にもコラムでお話ししたけれど、母は仕事も趣味も何でも一生懸命やる人で、美意識や生き方など、いろいろな面で影響を受けたし、母の背中を見て育った気がします。

大人になっても卒業を繰り返し、自由に羽ばたいていたい

――“卒業”というのは人生のひとつの節目ですが、美智子さんが最近“卒業”したことはなんですか?

もう3年前になるけれど、ラ・ドンナからの卒業が一番大きいかな。アシスタントがいる人生、会社を経営する人生から卒業した時は“自由”を感じて、どこにでも羽ばたていけるような気持ちになりました。あまりにも潔かったみたいで、周りに驚かれましたけど(笑)。私は過去を振り返ることはあまりしないタイプなので、卒業は新しい人生のスタートだと前向きに捉えているの。

――大人になっても“卒業”という節目は大事ですよね。

子どもの頃は年齢ごとに区切りが決まっていて、必然的なものとして卒業があるけれど、大人の場合は自分自身でけじめをつけないと何かから卒業できないですよね。それが自分の人生を背負うということなので、きちんと考えて、行動を起こしていくことって大事ですよね。新しいことを始めてまた卒業して……。そうやって卒業を繰り返していく。それが、人生というものかもしれません。

――人生を区切るって必要なことですね。

そうかもしれませんね。何かを始めると区切りやターニングポイントというものが必ず訪れるし、そのタイミングを自分で見極めることが、大人にとっての“卒業”ではないかしら。そして何かから卒業すれば新たな始まりは必ずやってくるので、やりたいことがあったら、どんどんトライすして、合わなかったらやめてもいい。小さなことでもいいから、新しい風をどんどん取り入れていきながら、いくつになっても自由に羽ばたいていけたらいいですよね。